日時 2001年10月 23日(火) 15時00分〜16時40分 場所 経済学部5階視聴覚室 講演者 青木 敏(情報理工・数理情報) 演題 ネットワーク・アルゴリズムによる Hardy-Weinberg 比率の正確検定 概要: 集団遺伝学の基礎原則として知られる Hardy-Weinberg の法則は,任意結婚と 遺伝子頻度に関わる重要な理論である.Hardy-Weinberg 比率の検定としては 古典的な適合度検定が用いられることが多いが,サンプル数が小さい場合やい くつかの遺伝子頻度が小さい場合には,漸近カイ二乗性の当てはまりの悪さが 指摘されており,漸近論を用いない正確検定が必要とされる.Louis and Dempster (1987) は,遺伝子頻度を固定した上でのすべての遺伝子型頻度の数 え上げによる正確検定のアルゴリズムを提案し,allele の数が 3 または 4 の場合の小さいサイズのデータに対して p 値の計算を行なった が,よりサイズの大きなデータに対しては,計算量の問題が生じる.本研究で は,正確検定の p 値をより効率的に計算するアルゴリズムを提案し,Guo and Thompson (1992) の提案した MCMC 法との比較を行なう.