統計学輪講(第26回)

日時    2001年10月 23日(火) 15時00分〜16時40分
場所    経済学部5階視聴覚室
講演者  青木 敏(情報理工・数理情報)
演題     ネットワーク・アルゴリズムによる Hardy-Weinberg 比率の正確検定
          
概要:  
  集団遺伝学の基礎原則として知られる Hardy-Weinberg の法則は,任意結婚と
遺伝子頻度に関わる重要な理論である.Hardy-Weinberg 比率の検定としては
古典的な適合度検定が用いられることが多いが,サンプル数が小さい場合やい
くつかの遺伝子頻度が小さい場合には,漸近カイ二乗性の当てはまりの悪さが
指摘されており,漸近論を用いない正確検定が必要とされる.Louis and
Dempster (1987) は,遺伝子頻度を固定した上でのすべての遺伝子型頻度の数
え上げによる正確検定のアルゴリズムを提案し,allele の数が 3 
または 4 の場合の小さいサイズのデータに対して p 値の計算を行なった
が,よりサイズの大きなデータに対しては,計算量の問題が生じる.本研究で
は,正確検定の p 値をより効率的に計算するアルゴリズムを提案し,Guo and 
Thompson (1992) の提案した MCMC 法との比較を行なう.


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