統計学輪講(第41回)


日時	2002年 1月22日(火)    15時〜16時40分
場所	経済学部第4教室
講演者 倉田 博史(教養学部)
演題 	SURモデルにおける独立性の検定

概要: 
 見かけ上無関係な回帰(seemingly unrelated regression、SUR)モデルに
おける方程式間の独立性の検定に関する筆者の結果を報告する。

 方程式数が p(\geq 2) であるようなSURモデルの回帰係数ベクトルの推定量
として、方程式間の相関を無視した通常最小2乗推定量(OLSE)と、相関(分散共
分散行列)の推定値を利用した一般化最小2乗推定量(GLSE)とがある。よく知ら
れる通り、方程式間の相関が弱いとき、OLSEの分散行列はGLSEのそれよりも小
であり、逆の場合は逆の結果が成り立つため、方程式間の相関係数が0であるか
否かの検定がしばしば必要となる。
 先行研究では、p=2の場合にKariya (1981)が、片側対立仮説と両側対立仮説に
対してそれぞれ局所最良不変(locally best invariant、LBI)検定、LBI不偏検定
を導出している。また、p\geq 2の場合の両側検定として Bresch and Pagan (1980)
によるLagrange 乗数検定が広く用いられている。
 本報告では、p\geq 2でかつ相関係数が全て非負であるようなSURモデルの下での
独立性の片側検定について考える。King and Wu (1997)によって一般的な形で
定式化された局所最良平均検出力不変(localy most mean powerful invariant、
LMMPI)検定の考え方を適用する。


統計学輪講のスケジュールに戻る.