日時 2002年 2月12日(火) 15時〜16時40分 場所 経済学部第4教室 講演者 二宮嘉行(九州大学) 演題 複数の変化点に関する尤度比検定について(数値実験) 概要: 情報量規準を用いて変化点数を決める理論に比べ, 検定に基づいて変化点数を 決める理論は発展していない. 特に複数の変化点に関する検定統計量の分布理論 に関する論文は少ない. そこで昨年度の発表では, 独立に分散既知の正規分布に 従う系列の平均パラメータが未知の時点でシフトする, という変化点問題の最も 基本的な設定で尤度比統計量の漸近理論を扱った. 具体的には, 変化点数 n 対 n+1 の尤度比統計量は, n+1 個の独立な基準化 Brownian ブリッジの最大値に分 布収束することを示し, そして変化点数 0 対 2 の尤度比統計量の裾確率の大偏 差型近似を与えた. しかしこの漸近結果は, ある定数を含み, そしてその定数に 強く依存している. 本発表では数値実験を通し, その定数を定め, 変化点数の決 定問題に堪えうる近似を与えることを目標とする.