統計学輪講(第44回)


日時	2002年 2月12日(火)    15時〜16時40分
場所	経済学部第4教室
講演者 二宮嘉行(九州大学)
演題 	複数の変化点に関する尤度比検定について(数値実験)

概要: 
  情報量規準を用いて変化点数を決める理論に比べ, 検定に基づいて変化点数を
決める理論は発展していない. 特に複数の変化点に関する検定統計量の分布理論
に関する論文は少ない. そこで昨年度の発表では, 独立に分散既知の正規分布に
従う系列の平均パラメータが未知の時点でシフトする, という変化点問題の最も
基本的な設定で尤度比統計量の漸近理論を扱った. 具体的には, 変化点数 n 対 
n+1 の尤度比統計量は, n+1 個の独立な基準化 Brownian ブリッジの最大値に分
布収束することを示し, そして変化点数 0 対 2 の尤度比統計量の裾確率の大偏
差型近似を与えた. しかしこの漸近結果は, ある定数を含み, そしてその定数に
強く依存している. 本発表では数値実験を通し, その定数を定め, 変化点数の決
定問題に堪えうる近似を与えることを目標とする. 


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