統計学輪講(第33回)


日時	  2002年 11月12日(火)    15時〜16時40分
場所	  経済学部新棟3階第3教室
講演者    久保川達也(経済学研究科)
演題      多重共線性のもとでのミニマクスな経験ベイズリッジ回帰推定量について

概要
  線形回帰モデルにおいて多重共線性が存在する場合の回帰係数ベクトルの推定
という古典的な問題を扱い,通常の経験ベイズリッジ回帰法以外に階層的経験ベ
イズ法,混合事前分布に対する経験ベイズ法を提案し,それらのミニマクス性を
示すとともに,リスクの数値的な挙動を調べることによってそれらの推定量の良
さを示す。また実際のデータの解析を通して,それらが有用であることを説明する。
  リッジ回帰推定と主成分回帰推定は,多重共線性のもとでは有用であることが
知られているが,それらの推定値を見比べてみるとかなり異なっていることが
わかる。回帰係数の推定問題に限ればリッジ回帰推定の方がよいことになるが,
予測の問題として取り扱うと,クロスバリデーションによる予測誤差の推定値
について,両者はほぼ一致することが示される。すなわち,リッジ回帰法は推定
と予測の両面において改善を与えるのに対して,主成分法は予測問題についての
み改善を与えていることになる。
  最後に,Breiman and Friedman (1997, JRSS) の論文で注目された多変量回帰
モデルでの多重共線性の問題について,ミニマクスな経験ベイズリッジ回帰推定量
などに関する若干の結果を紹介する。


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