日時 2003年 9月 9日(火) 15時〜16時40分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 金森 敬文 (東工大 情報理工) 演題 分位点回帰関数の線形結合による条件付き期待値のロバスト推定 概要 ノイズの分布形が非対称で裾が重いときの条件付き期待値の推定について考察 する.このような問題は自動車保険の保険料決定などの場面で必要になる.ノ イズの分布に対称性が仮定できるときには通常のロバスト推定量によって安定 した推定ができる.しかし分布が非対称で裾が重いときには従来のロバスト推 定量はバイアスをもつことが知られている.本稿では分位点回帰関数の推定量 を線形に組み合わせることで,バイアスのない安定した推定量が構成できるこ とを示す.またその統計的な性質を影響関数を用いて理論的に考察する.これ により位置尺度モデルを拡張した一般化位置尺度モデルに対して,提案した推 定量は外れ値の影響を受けにくいことが示される.さらに数値実験により提案 手法の有効性を確認する.なお本研究は三重大学の竹内一郎先生との共同研究 である.
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