統計学輪講(第4回)

日時    2004年 4月 27日(火) 15時〜16時40分
場所    経済学部新棟3階第3教室
講演者  松山 裕(医学系研究科)
演題    競合リスクが存在する場合の周辺生存関数の推定
概要:
 多くの臨床医学研究において、生存時間を推定する際に競合リスクの問題が
存在する。Kyushu Lipid Intervention Study (KLIS) は、高脂血症患者に
対するプラバスタチン(コレステロール低下剤)治療を従来治療と比較した
観察研究で、プライマリ・エンドポイントは心臓血管系(CHD)イベントの
発生である。KLISでは、CHD以外の死因で死亡したり、途中で追跡不能となった
対象者が何人か存在した。比較する治療法はCHDイベントの発生を減らすことを
目的としているので、脳梗塞や癌などのCHD以外のイベントによる死亡が存在
しなかった場合の治療法の効果に関心がある。本輪講では、CHDイベントの発生と
関連した競合リスク存在下での周辺生存関数の推定について考える。
提案する方法は、欠測データ解析で最近用いられているIPCW (Inverse Probability 
of Censoring Weighted) 法の拡張である。KLISデータの解析結果を紹介する。


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