統計学輪講(第11回)

日時    2004年 6月 8日(火) 15時〜15時50分
場所    経済学部新棟3階第3教室
講演者  吉村 健一(医D3)
演題    区間打ち切りを含む多変量生存時間データに対するセミパラメトリックモデル
      A semiparametric model for the analysis of multivariate time-to-event 
      data with interval censoring
概要:
多変量生存時間に対して(単変量生存時間に対する)Cox回帰を拡張したセミパラメ
トリックモデルの1つとして、Wei et al.(1989) による多変量周辺モデルなどが既に
提案されている。これらの方法は、生存時間が正確に観察されるか右側打ち切りを受
けている場合にのみ適用可能な方法である。しかしながら、医学領域においては検査
値に依存してイベントが定義される事が多く、それ故、生存時間が区間打ち切りデー
タとして観察される事がしばしば存在する。この様な区間打ち切りデータに対して通
常よく用いられているアプローチは、検査により初めてイベントが観察された時点
(time to first detection)を用いてイベント発生時点を補完する方法である。補
完を行ってしまえば、通常の解析方法が適用可能となる一方で、検査スケジュールに
依存したバイアスが含まれうる。本発表では、Yoshimura, Nishiyama & Ohashi
(2003)による順序に関する周辺尤度に基づいたアプローチを示し、その性能評価を行っ
たシミュレーションの結果を報告する。


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