日時 2004年 12月 21日(火) 15時〜16時40分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 倉田 博史(総合文化研究科) 演題 A flexible scan statistic for spatial cluster detection 概要: 球面対称分布の位置混合分布における 2-プリンシパル・ポイントの 存在範囲に関する筆者(倉田)の研究結果を中間報告する。 多次元分布のプリンシパル・ポイントの研究の1つの中核は、Tarpey, Li and Flury (1995)による「部分空間定理(subspace theorem)」であると言える。 この定理は、楕円対称分布の k-プリンシパル・ポイントが分散共分散行列の 幾つかの主固有ベクトルで張られる線形部分空間に存在することを保証する 定理であり、プリンシパル・ポイントの探索を行う上で有用である。 近年、Yamamoto and Shinozaki(2000)は、有限個(m個)の球面対称分布の 位置混合分布を扱い、その分布の 2-プリンシパル・ポイントがm個の位置 パラメータの張る部分空間に存在することを示している。これは部分空間定理の 1つのバージョンとみることが出来る。その際、彼らは平均2乗距離の改良や 比較を行うのに有用な定理を導出している。(これを「比較定理」と呼ぶことに する。) 本研究では、Yamamoto and Shinozaki (2000)の結果を拡張することを目標 にする。具体的には、直交群の任意の部分群上に存在する不変確率測度を 用いて、球面対称分布の位置混合を構成し、彼らの部分空間定理と比較定理 とを拡張する。その際、「群によって誘導された順序(group-induced ordering)」 がキー概念となることも併せて示す。
Tokyo University