日時 2005年 7月 19日(火) 15時〜15時50分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 田中 冬彦(数理情報D2) 演題 ARMAモデルの断面曲率の符号評価 概要: 時系列解析において定常Gauss過程の推定はスペクトル密度の推定と等価である ことが知られている。さらに、ベイズ推定の枠組みで、Kullback-Leibler損失の もとスペクトル密度そのものを推定する問題では、パラメータの事前分布に応じて、 サンプルデータをもとに事後平均を求めたものが最適であることも知られている。 しかし、一般には時系列モデルのパラメータの事前分布は未知であり、どのような 事前分布を仮定すればよいかの議論が残る。普遍性などから、しばしばジェフリーズ 事前分布(Jeffreys prior)が採用されるが、正の優調和関数にもとづく事前分布 (Superharmonic prior)が存在する場合は、漸近的な意味で後者を利用する方が 望ましい。 Superharmonic priorが存在するための十分条件は微分幾何学によって与えられる ので、今回は、AR(p)過程,MA(q)過程,ARMA(p,q)過程の微分幾何学的な構造を紹介し、 最近わかってきたことについて述べたい。
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