統計学輪講(第43回)

日時    2006年 1月31日(火)    15時50分〜16時40分
場所    経済学部新棟3階第3教室
講演者  多賀 伸幸(東工大・情報理工D4)
演題    LBP アルゴリズムのギブス測度による定式化
概要:
  近年, BP アルゴリズムと呼ばれるアルゴリズムが提案され, 与えられた
同時確率分布に対しその変数の数の多項式に比例する計算量で周辺確率
あるいはその近似量を計算出来る事が報告された. このアルゴリズムは
確率ネットワークと呼ばれるものと関連付けて説明され, 特に確率ネット
ワークにループが存在する場合にまだ不明な点が残されている. この場合
アルゴリズムは Loopy BP (LBP) と呼ばれる. ループの存在する場合の
解析のアプローチとしては, 統計物理の観点からのものが知られているが, 
今回はギブス測度の観点からの定式化を紹介する. ギブス測度は熱力学
極限の数学的定式化の一つで, Tatikonda らにより BP との関連が指摘
された. これにより LBP アルゴリズムの収束条件が対応するギブス測度
の相転移の存在条件と密接なかかわりがある事が示される.



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