統計学輪講(第26回)

日時      2006年 10月 24日(火)    15時〜16時40分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    原 尚幸(地球システム)
演題      Boundary cliques, clique trees and perfect sequences of
      maximal cliques of a chordal graph     

概要
  コーダルグラフは統計学における分解可能モデルの最尤推定をはじめ, 数理
工学のさまざまな場面において, 本来非線形である問題の解が陽に書ける特殊
な場合として現われる. また, 分解可能でないグラフィカルモデルの最尤推定
のように, コーダルでないグラフが決定するより複雑で繰り返し計算を要する
問題に対しても, 問題をコーダルグラフ化することにより局所化し, 計算の手
間, 領域の両面で効率的に解を得ることが可能になる. こうした意味でコーダ
ルグラフは重要な部分クラスであり, その理論的考察, 内在的な性質の解明は, 
統計的推測においても重要である. 
  今回はコーダルグラフの基本的事実を概説した後, MLEの局所計算などで重
要な役割を果たすクリーク木(junction tree)を, 単体的頂点, 極大クリーク
の perfect sequence との関連において特徴付けを行う. 
  以上は竹村先生との共同研究である.


統計学輪講のスケジュールに戻る.


Tokyo University