統計学輪講(第31回)

日時    2006年11月21日(火)    15時〜16時40分
場所    経済学部新棟3階第3教室
講演者  丸山 祐造 (空間情報)
演題    An admissibility proof using an adaptive sequence of
smoother proper priors approaching the target improper prior

概要:
昨年に引き続き、球面対称分布の位置母数ベクトルの推定問題を扱う。
今年は特に許容性に焦点を絞る。
proper Bayes推定量が許容的であることは、よく知られている。
しかしimproperな分布を用いたgeneralized Bayes推定量には
許容性の保証がなく、非許容的になる場合もある。
generalized Bayes推定量が許容的であるための十分条件として
知られているBlythの方法において重要なことは、
ターゲットとなるimproperな事前分布に収束するproperな事前分布列で、
かつBayes risk differenceがゼロに収束するような、
うまい列を見付けることである。

今回の発表では、球面対称分布の位置母数ベクトルの推定問題において
ターゲットとなる事前密度 g に対するgeneralized Bayes推定量の
許容性を考える。提案するproperな事前密度の列は
・g に応じてadaptiveに与えられる
・全域で滑らかである
点でBlyth、Stein、Brownらが用いた列よりも優れている。
結果として得られる許容性のための十分条件は、
正規性の下での強力な十分条件として知られている
Brown (1971 Annals)による条件と同等の性能を持つ。


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