日時 2006年12月12日(火) 15時50分〜16時40分
場所 経済学部新棟3階第3教室
講演者 桜井 悠司 (数理情報M2)
演題 Non Markov Regime Shift in Term Structure Model
of Interest Rates.
概要:
金利の期間構造とマクロ経済指標の関係を分析することは
ファイナンスにおいて重要な問題の1つである。例えば、Affine型
の金利の期間構造のモデルにおいて、マルコフ・レジーム・スイッ
チングを導入して推定すると、マクロ経済指標を直接利用していな
いにもかかわらず、レジームの遷移と景気変動の間に一定の関連が
見出されることが知られている(Dai,Singleton,Yang(2003))。
しかし、マルコフ・レジーム・スイッチングでは、レジームの継続
期間の変動やレジームの深度を表現できない。景気の拡大・後退の
期間が一定でないなら、マルコフ性を仮定することは問題がある可
能性がある。そこで、本稿は、レジームの遷移がマルコフ性を持た
ず、自己回帰的な潜在変数の符号に従うとして推定を試みる。具体
的には、モデルの簡素化のため、Affine型ではなく、
Diebold and Li(2006)の提案した金利の期間構造のモデルに、
非マルコフ・レジーム・スイッチングを導入する。推定結果から
得たレジームの深度は、一定程度、現実の景気の変動を捉えている
ことを報告する。
Tokyo University