日時 2006年12月19日(火) 15時〜16時40分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 岸野洋久(農学生命科学) 演題 抵抗性株出現のモニタリングと予測のための統計遺伝学 概要: 生態系は目に見えないところで、ヒトの淘汰圧に適応し、時として私たち自身への脅 威変身することがある。抗生物質に対するバクテリアの抵抗性、殺虫剤や農薬への昆 虫の抵抗性、薬剤・抗体へのウィルスの抵抗性株の出現などである。彼らの個体群動 態を精確にモニタリングし、抵抗性株の出現を予測しつつ、適切な処方を検討するこ とが喫緊の課題となっている。個体群動態を規定するパラメータのうち、本質的でか つ直接測定が困難なものは、感受性株の中から抵抗性をもつ変異株が生まれるハザー ドレイト、および抵抗性株の適応度である。報告者らは最近、配列情報に構造データ ベースを組み合わせて抗原・抗体結合能を尤度表現し、また部分領域の系統樹間の距 離を定義し階層ベイズによりゲノム組換えを推定するプログラムを開発した。上記2因 子を推定する枠組みを検討する中で、これらの手法の位置を確認する。
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