日時 2008年 4月 8日(火) 15時00分〜16時40分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 縄田 和満 (地球システム) 演題 白内障手術における DPCによる包括支払制度の評価 概要: 平成14年診療報酬改定に係る中央社会保険医療協議会(中医協)答申によって,平成15年 4月からDPC(Diagnosis Procedure Combination,診断群分類)による包括支払制度が,82の 特定機能病院(大学病院および国立がんセンター・国立循環器センター)に対して導入さ れた。その後,平成16年4月より,DPCを希望し一定の条件を満たす一般の病院が順次DPCの 施行を開始している。本論文では,白内障手術(DPCカテゴリーコード:020110)における DPC包括支払制度の評価を行った。使用したのはDPC病院協議会において2004年7月〜2005年 9月に収集された1,225人分の患者のデータである。患者の特性,主傷病名,副傷病・処置2 の有無等の違いを考慮しても,平均在院日数が病院ごとに大きく異なる。このため,DPCに よる包括支払部分において3.5倍もの差が認められた。一方,出来高評価部分の差は比較的 小さく,平均からの乖離は最大でも1割程度であった。このため,病院ごとの診療報酬のば らつきの主要部分は,診療報酬全体の1/3程度に過ぎないDPCによる包括評価部分となって いることが認められた。この結果,医療資源の有効な活用のためには,制度の見直しにお いて,その傷病の特性を考慮することが必要であると強く示唆された。