日時 2008年6月17日(火) 15時00分〜15時50分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 村岡 優輔 (情報理工M2) 演題 階層モデルの事前分布に対するp値を用いたモデル診断について(文献紹介) 概要: モデル診断とは,他のモデルを陽に用いずに,仮定したモデルが,得られたサ ンプルと適合しているかを判断することをいう. 何らかの検定統計量を用い, サンプルの値がどれだけモデルと適合していないかを,p値を基準として判断す ることを行う.その際,モデル族の検定は複合帰無仮説であるが,p値を計算す る分布をどう定めるかが問題となる.その中でもサンプルを,モデルを定める ために用いるためと,観測を代表するp値を定めるために「二重に使用」するこ とにより,外れていると考えられるサンプルに対してもp値を大きく計算すると いう問題がある.その問題を防ぐため参考文献1,2で「部分的事後予測分布」と 呼ばれる分布を用いることが提案された.今回の発表では,「部分的事後予測 分布」の考えに基づいた階層モデルの事前分布に対するp値を用いたモデル診断 を,参考文献3に基づき紹介する.また,階層モデルの事前分布に対するモデル 診断について,パラメータの関数である検定統計量を用いた方法について紹介 する. [参考文献] 1.M. J. Bayarri and James O. Berger(2000) "P values for composite null models" Journal of American Statistical Association, 1127-1142 2.James M. Robins, Aad van der Vaart, and Val´erie Ventura(2000) "Asymptotic distribution of p values in composite null models" Journal of American Statistical Association, 1143-1156 3.M. J. Bayarri and M. E. Castellanos(2007) "Bayesian checking of the second levels of hierarchical models" Statistical Science, 322-343