統計学輪講(第14回)

日時    2008年 7月 1日(火)    15時00分〜16時40分
場所    経済学部新棟3階第3教室
講演者  岸野洋久(農学生命科学)
演題    個体群動態と構造進化の予測モデル

概要

適応はコストを伴う。たとえば、ウイルスは抗体と結合することにより、宿主細胞へ
の侵入を阻止される。抗体との結合部位は、しばしば、宿主細胞の受容体との結合部
位と重なるため、この部分における突然変異は、抗体との結合能とともに宿主細胞と
の結合能に影響を与える。したがって、ウイルスの免疫系からの回避と進化の適応度
ランドスケープを推定するためには、ウイルス・抗体・宿主細胞の3者系からなる個体
群動態モデルを考えるのが自然である。私たちはこれまで、最尤法による適応進化に
寄与した突然変異の探索、ゲノム組換えのベイズ推定、構造データベースを利用した
タンパク質結合能の経験尤度表現を行ってきた。これらを個体群動態モデルに組み込
むことにより、突然変異によるウイルス進化の予測モデルを構成する方法を紹介したい。