日時 2008年11月25日(火) 15時〜16時40分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 大森 宏 (農) 演題 ウェブ上での四者択一法による景観画像好み得点のMCMC推定 概要 ウェブ調査には、簡単、迅速、安価という高い利便性がある。 ネット環境のブロードバンド化により、選択肢設問のような静的な アンケート調査から、画像やアニメを多用し、回答を受けて提示設問を 変えていくような動的な調査も可能となってきた。 比較的多数(n=20)の景観画像の嗜好得点を調べるため、ウェブ画面上に 4つの景観画像を並べ、最も気に入った画像を選択してもらう四者 択一法を用いた。提示画像は談ら(2000)の数珠繋ぎ法(画像数=選択回数) を被験者それぞれでランダムに変えて提示した。 被験者集団での嗜好得点は、Thurstone(1927)の心理学的尺度モデル に基づいて、集団全体の尤度を最大にするように MCMC で推定した。 MCMC 法により、類似した嗜好をもつ被験者を自動的にグルーピング することもできた。東京大学の学生は、21.5, 25.5, 12 名の 3 グループ が得られ、東京国際大学の学生では、27.1, 2.4, 6.5, 40.4, 20.6 名の 5 グループがられた。このうち、東京大学 21.5 名と国際大学 27.1 名の 嗜好は、相関係数 0.886で極めて類似していた。 また、1巡目の選択に基づき、それ以降の提示画像を変化させる動的な 画像提示方法も先々週の学生実験で行ったので、その結果も報告する。