統計学輪講(第18回)

日時      2009年07月07日(火)    15時00分~16時40分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    丸山 祐造(東京大学・空間情報科学研究センター)
演題      正規線形回帰モデルに対するBayesian Model Selectionについて

概要

正規線形回帰モデルにおいてベイズ型モデル選択規準を考える.
このとき,適当な事前分布に対する事後確率
(あるいは事後確率の関数である周辺尤度)を
最大にするモデルを選択することになるので,扱いやすい
周辺尤度を得ることが望ましい.
過去の研究では,計算の容易さのために,
適当な共役事前分布を想定したとしても,客観性を保つために
超母数及びその分布を導入することが多い.
このような場合,周辺尤度の完全な解析的計算(つまり
超母数に関する積分の解析的な計算)を行うことは不可能だと
考えられ,実際にはMCMCなどの計算機集約的な手法,
あるいはラプラス近似が用いられてきた.

今回の講演では,正規線形回帰モデルに対して
周辺尤度が完全に解析的に計算できるようなうまい事前分布を与え,
結果として得られる選択規準の性質を議論する.
特徴の一つは,特に古典的な設定(n>p)の場合だけでなく,
近年注目されている設定(n