統計学輪講(第19回)

日時      2009年07月14日(火)    15時00分~16時40分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    倉田 博史 (教養)
演題      多変量混合分布のプリンシパルポイントについて

概要

多変量混合分布のプリンシパルポイントに関する筆者の結果を紹介する。
k-プリンシパル・ポイントとは確率分布を k 個の点で近似・要約する概念であ
る。例えば、1-プリンシパルポイントは(分布に関わらず)平均に等しい。標準正規
分布の2-プリンシパルポイントは、\pm \sqrt{2/\pi} である。
多変量分布のプリンシパルポイントの陽的表現は殆どの場合で得られていない。そ
れゆえ、プリンシパルポイントの存在範囲を示した Tarpey, Li and Flury (1995,
AS)の結果は重要である。彼らは、楕円対称分布の仮定の下で、k-プリンシパル・ポ
イントが、分散共分散行列の主固有ベクトルによって張られる部分空間に存在するこ
とを示した。これを部分空間定理と言う。Yamamoto and Shinozaki (2000, JJSS)
は、分布が球面対称分布の有限位置混合である場合を扱い、2-プリンシパルポイント
に対する部分空間定理を導いた。Kurata (2008, JSPI)は彼らの結果を無限位置混合
へ拡張している。
 Yamamoto and Shinozaki (2000)と Kurata (2008)では、混合比率が一様という仮
定が置かれている。本報告では、混合比率が一様ではない場合を扱う。その中で最も
基礎的な場合である、2つの球面対称分布の位置混合の下で、2-プリンシパルポイ
ントに対する部分空間定理を導く。

本報告は、マイアミ大学経営工学科の Dingxi Qiu 助教授との共同研究である。