統計学輪講(第21回)

日時      2009年10月13日(火)    15時~16時40分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    大森 宏 (農)
演題      集合知を利用した景観調査解析法の開発

概要

多くの人の意見などを総合すると、集団全体であたかも知性があるように見えることがある。これを集合知と呼んでいる。
現在、多くの学生が写真機能つき携帯やデジカメを所有している。また、ネット環境も充実しているので、
画像データを収集することが容易になってきた。そこで、ターゲットとなる場所の景観写真を多くの学生を使って収集し、
景観パターンを集合知で解析することを考えた。収集した画像を統計的に集約するためのシステムをウェブ上に構築した。
このシステムで、収集した画像全体に対し、個人ごとの主観的基準で類似画像をグルーピングしてもらった。
個人ごとの画像間類似度を重ね合わせて集団全体での画像間類似度行列を推定した。この類似度行列から多次元尺度法により、
収集画像を2,3次元に配置し、景観パターンの解析が行える。東京大学附属多摩農場の景観調査では、
3つの主要な景観パターン(畑、道、建物)が浮かびあがり、東京大学本郷地区の調査では
4つのパターン(建物、道、大木、池)が浮かびあがった。
時間がありましたら、2元配置実験における欠測値の多重代入法による解析も行う予定です。