統計学輪講(第26回)

日時      2009年11月10日(火)    15時50分~16時40分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    平野 敏弘 (経済D1)
演題      Covariance Taperingを用いた大規模空間データの予測について

概要

空間データに対する代表的な予測手法としてクリギングを挙げることができる.クリギングを行う場合,観測地点における
確率変数間の自己共分散関数を要素とする分散共分散行列の逆行列を計算する必要がある.一般的に,その操作回数はn^3 のオーダーとなるため,
サンプル数が非常に大きい場合には計算量が膨大になる.
このような状況においてクリギングの高速計算を可能にするCovariance Tapering という手法が提案されている.
これは分散共分散行列に含まれる自己共分散関数とコンパクトな台を持つ相関関数の積で
元の自己共分散関数を置換することにより,分散共分散行列を大規模疎行列にすること
で高速計算するという方法である
しかし,Covariance Tapering はMat´ern 型の自己共分散関数を持つ確率場にのみ適用可能であった.
本発表では,幾何的異方性を示す確率場に対するCovariance Tapering の手法を提案し数値実験を行う。