日時 2010年01月26日(火) 15時~16時40分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 鎌谷 研吾 (数理科学) 演題 ギブスサンプラーの弱収束 / Weak Convergence of the Gibbs sampler 概要 本講演では,ギブスサンプラーのふるまいの安定性について考察する. 特定の例を除き,ギブスサンプラーの振る舞いを考察する有効な手法は, リヤプノフ型のドリフト条件を構成する事である. しかし,このアプローチでは,より詳細の振る舞いを調べるには, リヤプノフ関数をうまく取る必要があり,技術的に困難であった. 今回は新しいアプローチとして,ギブスサンプラーを分布の一つの実現値 と捉える手法を紹介する.この捉え方により, おおもとの分布の空間にたいして,収束や距離を 定める事が出来る.主に以下の三つの結果が得られた: a)正則なギブスサンプラーの漸近的な振る舞いの記述, b)シンプルな混合モデルにおける非正則な振る舞いの記述, c)前記の非正則な場合の改善手法の提案. これらの結果と,従来のリヤプノフ関数を介した解析の簡単な 解説を行ない,両者の利点と欠点を紹介する.