日時 2011年05月24日(火) 15時00分〜16時40分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 縄田 和満 (技術経営) 演題 安全衛生教育問題および就職行動に関する研究 概要 最近の研究のうちから、ある産業における事業所内請負労働者の安全衛生教育問題の 分析について述べる。 日本では,この産業においては請負労働者を多く使用してお り, その安全衛生環境は非常に重要である。ここでは,請負労働者の安全衛生教育 訓練の水準が会社に直接雇用される労働者よりも低くなる可能性を検証した。結果として, (1) 請負労働者の使用は安全教育の水準を確保することをより難しくし, (2) そのような非効率にもかかわらず, 業務請負が利用され得ることを示した。 また, この事業に関連する法令や過去の事象を調査し, 請負労働者が より低い安全教育水準におかれ得る構造的問題を見出した。さらに,この産業におけ る財務および安全管理に関するデータを用い,業務上のリスクの要因を分析した。分 析結果より, リスクと設備の老朽化度合いに正の相関が, リスクとこの事業の依存度 との間には負の相関,会社の規模との間には正の相関があり, 特に大規模会社における, 労働安全衛生管理の重要性を示唆した。次に、総務省のデータを使った無業期間に 関する問題についての次に、総務省のデータを使った無業期間に関する問題について、 時間依存変数がある場合について、生存時間解析モデルを使った分析結果を紹介する。 この研究では、無業期間と有効求人倍率の関係に注目し、女性では有効求人倍率が 高いほど無業期間が短いが、男性ではむしろ長くなるという興味ある結果が示された。