統計学輪講(第14回)

日時      2011年10月25日(火)    15時00分~16時40分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    松浦 峻 (青山学院大学)
演題      多変量混合分布のprincipal pointsの主部分空間定理に関する最近の成果
について

概要
 確率分布のn-principal points(主要点)とは,その確率分布に従う
確率変数ベクトルと最も近い点との距離の2乗の期待値(平均2乗距離)を最小に
するn個の点のことであり(Flury, 1990),k-means法によるクラスター分析と
密接な関連があることが知られている.
Tarpey et al. (1995)は,楕円対称分布のprincipal pointsがいくつかの
主成分ベクトルによって張られる線形部分空間上に存在することを示した.
この定理は主部分空間定理(principal subspace theorem)と呼ばれ,
principal pointsの探索を行う上で重要な定理となっている.
本発表では,主部分空間定理が他の確率分布族の下でも成立することを示す試みに
関する最近の成果について報告する.
具体的には,異なる球面対称分布の位置混合分布のprincipal pointsにおける
主部分空間定理を導出し,
さらに,楕円対称分布の位置混合分布の2-principal pointsの性質についても
言及する.
 なお,本研究は東京大学教養学部の倉田博史准教授との共同研究である.