統計学輪講(第21回)

日時      2011年12月13日(火)    15時50分~16時40分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    水島 直紀 (情報理工M2)
演題      スイッチング手法を用いた Universal Portfolio の考察 (研究紹介)

概要
近年, 情報理論, ゲーム論, ベイズ統計, 機械学習など様々な分野でポートフォリオ
選択を事前の統計的知識無しに逐次的なアプローチで最適化を試みる研究がなされて
いる.
例えば, 最も有名なものの1つであり, 本発表のベースとなる Cover (1991) ,
Cover and Ordentlich (1996) のuniversal portfolio が挙げられる. この戦略では
資金を常に一定の割合で賭ける constsnt rebalanced portfolio (CRP) と呼ばれる
戦略で得られた収益の中で最大のものと比較して優れた評価を与えてくれる.
これに対し, Kozat and Singer (2007) などではポートフォリオ戦略をある時点で新
たに組みなおすスイッチングの手法を取り入れることで, 株価の変動などの非定常性
に対応させている.
本発表ではこのスイッチングの手法をベースとして新たに提案した手法を紹介する.
そしてこの手法が, オリジナルのuiversal portfolio戦略や従来のスイッチングの理
論を取り入れた手法に対し高いパフォーマンスを与え, 従来のスイッチングの手法よ
りもデータの変化をうまく捉えられることを示す.