日時 2012年01月17日(火) 15時00分~15時50分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 三崎 広海 (経済D3) 演題 非等間隔・非同期・ノイズ付き高頻度データに対するSIML推定 概要 金融市場の高頻度取引データを用いて累積分散 (integrated variance)・共分 散 (covariance) を推定する問題を考える.このようなデータは市場のミクロ 構造に起因すると考えられているノイズ (market microstructure noise) の 影響を受けるため,realized variance (RV), realized covariance (RCV) に よる推定は精度が良くないことが知られている.Kunitomo and Sato (2008a, b, 2010) は,ノイズが存在する状況下での推定量として SIML 推定量を提案し, その性質を調べた.ただし,SIML は等間隔・同期データを仮定しているため, そのままでは,観測時点がランダムで非等間隔・非同期であるデータに対して は使えない.そこで本報告では,ランダム観測データをいくつかの方法で同期 化したうえで SIML を適用する方法を提案する.そして,観測時刻が ACD (Engle and Russel, 1998) に従う場合のシミュレーション実験により,提案 手法の性質を RV, RCV, そして Hayashi-Yoshida 推定量と比較する.