統計学輪講(第14回) 日時 2012年10月02日(火) 14時50分~16時30分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 大森 裕浩 (経済) 演題 Realized Stochastic Volatility 概要 近年,資産価格の日次ボラティリティの推定量として,日中の高頻度リターンの2乗を 1日分足し合わせた Realized Volatility (RV) が注目を集めている. しかし, RV には マイクロストラクチャ・ノイズ、取引時間、ジャンプによるバイアスがあることが 知られている. Takahahi, Omori and Watanabe (2009) では, マイクロストラク チャ・ノイズ、取引時間によるRVのバイアスを考慮して日次リターンとRVの変動 を同時にモデル化することにより, 効率的に母数を推定する方法を提案しており、 Realized Stochastic Volatility (RSV)モデルと呼ばれている。Hansen, Huang and Shek (2011)のRealized GARCH modelも同様なアプローチをGARCHモデル に適用したもので、分散変動モデルに高頻度データを組み込む研究が多く進められ ている。そこでRSVモデルのMCMCを用いたベイズ推定法について解説し、最近の モデルの拡張についても議論する. また, 実際のデータへの応用についても紹介し ていく。