統計学輪講(第11回) 日時 2013年06月25日(火) 15時40分~16時30分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 小川 光紀(情報理工D2) 演題:A-超幾何系を利用した条件付き最尤推定 概要 本発表では,分割表の対数線形モデルに対する推定問題を扱う.特に,一部のパラメータに のみ興味がある場合を想定し,局外パラメータの十分統計量を条件付けた条件付き最尤推定の 問題を考える.この最適化問題を解く過程で,条件付き尤度に含まれる規格化定数とその微分の 数値的評価が必要になる.ところで,条件付き尤度の規格化定数は,局外パラメータに対する 十分統計量を共有するすべてのデータにわたる和の形で与えられる.規格化定数の数値的評価の ために,最適化の各ステップでこの和の計算を行うことは,計算効率の観点から望ましくない. 一方,2011年にNakayamaらは,ホロノミック勾配法という微分方程式を利用した数値計算手法を 提案した.本発表では,A-超幾何系とよばれる微分方程式系を利用したホロノミック勾配法の 枠組みにより,条件付き尤度の最大化を行う方法について議論する.