統計学輪講(第13回)

統計学輪講(第13回)
日時      2013年07月09日(火)    15時40分~16時30分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    山田 英夏(経済D2)
演題:空間回帰モデルに対するM-推定量の漸近分布

概要
空間回帰モデルをM-推定量によって推定する場合の推定量の漸近分布について考
える. 誤差項には定常な強ミキシング確率場を仮定し, M-推定量のスコア関数は, 
滑らかな場合と滑らかではない場合を想定する. サンプリング・スキームとしては, 
標本地点が規則的な格子点上にある場合に対応する固定デザインと不規則地点上に
ある場合に相当する確率デザインの場合を考え, それぞれの場合において空間漸近
構造は, 混合増大領域漸近論と純粋増大領域漸近論の枠組みを適用する. これらの
全ての組み合わせにおいて, 各々の推定量の漸近分布が導出される. 以上の内容は, 
Lahiri, S.N. & Mukherjee, K. (2004)において得られた結果である. 
今回の発表では, 上記の結果の文献紹介に加えて, 特に, 不規則地点上のデータに
対応する確率デザインの場合におけるLSE, HuberのM-推定量およびLAD推定量
に対する理論的結果を検証した数値実験の結果についても報告する.