統計学輪講(第19回)

統計学輪講(第19回)
日時      2014年11月18日(火)    14時50分~15時40分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    池田祐樹 (経済M2)
演題      ファクターモデルをもちいた高次元分散共分散行列の推定

概要
本発表では、ファクターモデルに基づいた高次元分散共分散行列の推定の改善案を提案する。

リスク資産のリターンを説明する枠組みとしてのFama et al.(1993)による3-ファクターモデルの提案に始まり、
近年主に金融への応用を念頭とした高次元における推定、とくにファクターモデルの誤差項の分散共分散行列に
スパース性を仮定した研究が数多い(Fan et al.(2011)等)。

しかし現実にはファクターによる影響を除いた後もなお、誤差項間に一定の相関が残ることも多いため、
本発表ではスパース性がみたされない場合でも頑健に推定できる推定手法を提案し、数値計算で結果を確認する。

併せて応用として、リスクの上限制約存在下における期待リターン最大化問題を考察し、提案手法が頑健に
リスク上限制約をみたすことをみる。

参考文献

Fama, E. and K. French (1993). "Common risk factors in the returns on stocks and bonds." Journal of financial economics 33(1): 3-56.

Fan, J., Y. Liao, and M. Mincheva (2011). “High Dimensional Covariance Matrix Estimation in Approximate Factor Models,” Annals of Statistics, 39, 3320-3356.