統計学輪講(第21回) 日時 2014年12月02日(火) 14時50分~15時40分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 篠原 泰典 (工学系M2) 演題 LMEにおける銅の購入戦略の検討 概要 本発表では、先物市場を利用して、企業が価格変動を抑えて原料を購入する方法について考察する。 現在、製造業や資源の仲介業者は原料の激しい価格変動に晒されており、安定した価格での原料購入方法が 求められている。この課題を具体化するため、本発表では銅の製造業・仲介業者を想定し、最も単純な 先物市場だけを利用して、銅をいかに安定的に確保するかについて考察する。市場はLondon Metal Exchangeを想定している。 先行研究では、最適な先物ヘッジ比率、企業の在庫管理問題、LME自体に関して各々独立して検討されてきた。 そのため、これらの分野を統合して考察した研究は少ない。そこで、企業の在庫管理問題を基本として、 先物市場と現物市場を考慮することで、企業が価格変動を抑えて原料を購入する方法をシミュレーションにより 求めることを試みる。なお、価格モデルはGARCHモデルを利用した。 (参考文献) Dewally M., Marriott L.(2008), “Effective Basemetal Hedging: the Optimal Hedge Ratio and Hedging Horizon”, Journal of Risk and Financial Management, Vol.1, Iss.1, pp41-76 Arnold J., Minner S., Eidam B.(2009), “Raw material procurement with fluctuating prices”, International Journal of Production Economics,121, pp353-364 Watkins C., McAleer M.(2004), “Economic Modelling of Non-ferrous Metal Prices”, Journal of Economic Surveys, Vol.18, No.5, pp651-701