統計学輪講(第7回) 日時 2015年05月26日(火) 14時55分~15時45分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 矢野 恵佑 (情報理工D2) 演題 ガウス型通信路モデルにおける予測のミニマックス定理 概要 ガウス型通信路モデル dx(t)=f(t)dt+\epsilon dW(t) に従う受信信号\{x(t):0 \leq t \leq 1\}を観測し, 同一の送信信号\{f(t):0 \leq t \leq 1\}をもつガウス型通信路モデル dy(t)=f(t)dt+\tilde{\epsilon} d\tilde{W}(t) に従う受信信号\{y(t):0 \leq t \leq 1\}の分布を予測する信号予測の問題を考 える. ここで,Wと\tilde{W}は独立な[0,1]上の標準Wiener過程とする. 送信信号はある種の滑らかさをもっていると仮定する. Pinsker [1]は信号推定の問題においてPinsker推定量が平均二乗誤差の意味で 漸近ミニマックスであることを示した. Xu and Liang [2]はGrowing Gaussian modelにおいてPinsker型の事前分布に基づく ベイズ予測分布がKullback--Leibler riskの意味で漸近ミニマックスであることを示した. 本発表ではGrowing Gaussian modelを用いずにKullback--Leibler riskの意味で漸近ミニマックスな ベイズ予測分布を構成し,Kullback--Leibler riskのミニマックス収束レート・収束定数を導出する. また,受信者側が送信信号の事前知識をもっていない場合にどのような予測分布を利用すればよいかについて考察する. 参考文献: [1] Pinsker, M. (1980). Optimal filtering of square integrable signals in Gaussian white noise. Problems Inform. Transmission 16, pp. 120--133. [2] Xu, X. and Liang, F. (2010). Asymptotic minimax risk of predictive density estimation for non-parametric regression. Bernoulli 16, pp. 543--560.