統計学輪講(第10回) 日時 2015年06月23日(火) 15時45分~16時35分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 後藤 尚 (経済M2) 演題 Tobit型モデルによる日降水量の統計的予測と降水デリバティブ評価への応用(文献紹介) 概要 文献[1]を紹介する。 天候デリバティブとは気象条件を支払額決定に用いる金融商品であり、自然現象による収益の変動を避けるために用いられる。 ここで、降水デリバティブを組成する際、日降水量は観測値が非負で、かつゼロの値を多く持つという著しい特徴を持つ。 Tobitモデルはそうしたデータにあてはめるのに適したモデルである。 今回紹介する文献では潜在変数に空気中の水分量などを想定できるTobit型の複数のモデルを提案することで、 季節性や特定期間中の降水量を高い精度で再現することに成功している。また実際にそのモデルを用い、 契約された降水デリバティブの価格評価、ペイオフ関数の構築法についての考察を行っている。 [1]松本 et al. “Tobit型モデルによる日降水量の統計的予測と降水デリバティブ評価への応用” 応用統計学 (2010) vol39, 41-58