統計学輪講(第12回) 日時 2015年07月07日(火) 14時55分~15時45分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 松田 孟留 (情報理工D2) 演題 状態空間モデルを用いた神経電位の位相推定 概要 脳波やLocal Field Potentialなどの神経電位時系列は、その位相が生理学的に重要な意味を もつことが近年明らかにされてきている。しかしながら、一般に信号の位相の数学的な定義は 自明とはいえない。従来はバンドパスフィルタリングとヒルベルト変換によって位相を推定して いるが、このような推定法は観測ノイズやフィルタリング方法によって結果が不安定になってしまう。 本研究では、状態空間モデルに基づいた位相の推定手法を提案する。ランダム周波数変調の発想を もとに線形ガウス型の状態空間モデルを構築し、カルマンスムーザによって振幅と位相を推定する。 状態空間モデルのパラメータをデータから推定することで、従来はあらかじめ指定する必要があった 周波数帯域をデータから自然に定めることが可能である。さらに、情報量規準ABICを用いることで、 神経電位を適切な個数の周波数成分に分解することも可能である。