統計学輪講(第12回)

統計学輪講(第12回)
日時      2015年07月07日(火)    15時45分~16時35分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    南 賢太郎 (情報理工M2)
演題      Gibbs事後分布の測度集中と差分プライバシ

概要
Gibbs事後分布とはデータ依存の確率分布であり、ベイズの事後分布を逆温度パラメータによって
一般化したものに相当する。Gibbs事後分布はPAC-Bayes学習[1]と呼ばれる分野で基本的な役割をもつ。
差分プライバシ[2]とは、プライバシ保護データマイニング (PPDM) という分野で使われている代表的な
プライバシ保護基準のひとつである。あるランダム推定量が差分プライバシを満たすということを言う
には、データを固定した上で対数尤度比の測度集中不等式を示すことが十分条件となる。本発表では、
損失関数と事前分布についての凸性の仮定のもとで、対数Sobolev不等式と呼ばれる不等式を利用して
前述の十分条件を示せることを説明する。

[1] O. Catoni. (2007). Pac-Bayesian Supervised Classification: The Thermodynamics of Statistical Learning. IMS Lecture Notes
 Monograph Series.
[2] C. Dwork. (2006). Differential Privacy. In ICALP.