統計学輪講(第23回) 日時 2015年12月1日(火) 15時45分~16時35分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 深澤 優太 (情報理工M2) 演題 非心複素ウィシャート行列の最大固有値の分布に対するホロノミック勾配法(研究紹介) 概要 非心複素ウィシャート行列の最大固有値の分布関数は超幾何関数を用いて表される. しかし超幾何関数は非心パラメーターに関する冪級数であり,非心パラメーターが大きい値を取る場合は収束が遅いため, 級数表示を用いてそのまま数値計算を行うと計算時間と精度に問題が生じる. 本研究では,非心複素ウィシャート行列のランクが1の場合について, 最大固有値の分布関数を有限個の関数の和に変形し,それらの関数の満たす微分方程式を導出し, 導出した微分方程式を用いて数値計算を行うことで分布関数の値を評価した. 参考文献: [1] Hiroki Hashiguchi, Yasuhide Numata, Nobuki Takayama and A.Takemura: Holonomic gradient method for the distribution funct ion of the largest root of a Wishart matrix. Journal of Multivariate Analysis, 117, pp.296-312, 2013. [2] M. Kang and M. -S. Alouini: Largest Eigenvalue of Complex Wishart Matrices and Performance Analysis of MIMO MRC Systems. IEEE J. sel. Areas Commun. val.21, no.3, pp.418-425, Apr. 2003.