統計学輪講(第24回)

統計学輪講(第24回)
日時      2015年12月8日(火)    15時45分~16時35分
場所      経済学部新棟3階第3教室
講演者    細山田 聖也 (情報理工M2)
演題      高頻度取引データにおける価格の離散性を考慮したモデル

概要
金融取引では1回の取引で取引価格,取引時間,取引量の3つの情報が主に存在している.近年の計算機の発展により,
今までは1分など決められた時間幅で集計したデータしか利用できなかったものが,現在は取引毎の高い頻度のデータを
用いて分析することができるようになった.
高頻度のデータでの取引価格の変化の特徴として,市場による規制である最小刻み値幅という,取引価格の変動の最小単位
による影響を受ける事が挙げられる.実際に取引ごとの取引価格の変動を見ると,99%が最小刻み値幅の2倍から-2倍まで
の範囲に収まるケースも存在する.
紹介文献[1]では取引価格,取引量に注目し,高頻度データの分析のためのモデルとしてこうした特徴を反映したモデル
としてAutoregressive Conditional Multinomial-Autoregressive Conditional Duration(ACM-ACD)モデルを提案した.
ACM-ACDモデルは,[2]で提案された取引時間の間隔がランダムである場合の取引時間間隔のモデルであるAutoregressive 
Conditional Duration(ACDモデル)を基礎として,現在の価格に対する価格変化を数種類に限った取引価格および取引時間のモデルである.

[1]Russell, J and R. Engel.(2005)."A discrete-state Continuous-Time Model of Financial Transaction Prices and Times",Journal
 of Business and Economic Statistics,Vol.23,No.2,pp.166-180.
[2]Engle, R. F., & Russell, J. R. (1998). "Autoregressive conditional duration: a new model for irregularly spaced transacti
on data." Econometrica, 1127-1162.