統計学輪講(第25回) 日時 2015年12月15日(火) 14時55分~15時45分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 江原 斐夫 (経済M2) 演題 Multivariate Point Processと実証分析 概要 2008 年のリーマンショックに代表されるような大規模な金融危機 に対するリスク管理手法の 研究が多くなされており、稀にしか起 きない金融危機をどのようにモデル化および分析するか ということに注目が集まる。 金融危機時における市場の顕著な特徴は、 1. 急激な資産価格の下落 (以降ではジャンプと呼ぶ) 2. そのようなジャンプがもたらす同じ市場もしくは市場間にお ける下落の連鎖および伝播 の 2 つである。 また、点過程モデルにおいて最も単純なモデルはポアソン過程であり、 その概念を拡張したもの として Self-Exciting Model や Mutually-Exciting Model がある。 それらのモデルは地震の予測などに用いられ、先ほどの金融危機時における特徴をうまく取り込む ことができる可能性があると考えられる。 今回の発表では、この 2 つの論点を取り込むことのできるモデルとして、確率過程のクラスの 1 つである点過程 (point process) モデルを提案しそれを用いた実証分析を行う。