統計学輪講(第3回) 日時 2016年04月26日(火) 14時55分~16時40分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 廣瀬 善大 (情報理工) 演題 2次マッチングを達成する事前分布の族について 概要 頻度論的な分位点とベイズ的な分位点との一致について,2次マッチングを達成する事前分布の族を与える. あらかじめ決められた統計モデルに対して,頻度論的な分位点とベイズ的な分位点を(厳密に,あるいは 近似的に)一致させるような事前分布はマッチング事前分布と呼ばれる.1次元位置・尺度モデルにおいては 2つの分位点を厳密に一致させるような事前分布が存在するが,一般的にはそのような事前分布は存在しない. しかし,近似的な一致として1次マッチングと呼ばれる性質を達成する事前分布は常に存在する.例えば 1次元モデルの場合には,1次マッチング事前分布はジェフリーズ事前分布で与えられることが知られている. 次に問題になるのは,より高次の2次マッチングを達成するような事前分布が存在するかどうかであるが, その答えは対象とするモデルに依存する.本発表では,分位点の一致を事前分布の族の性質としてとらえ直し, 事前分布族が2次のオーダーで分位点の一致を達成する条件を考える.特に,ひとつの事前分布だけでは 2次マッチングが達成できないモデルにおいても,族であれば2次マッチングが達成されうることを例示する. 本発表の内容は,田中豊人氏,駒木文保教授との共同研究に基づくものである.