統計学輪講(第5回) 日時 2016年05月17日(火) 15時45分~16時35分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 粟屋 直 (経済M2) 演題 SMC samplerを用いた状態空間モデルにおける逐次推定 概要 状態空間モデルにおけるベイズ推定に関しては事後分布からのマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)による サンプリング方法が多くのモデルに対して提案されている.一方モデル選択の基準となる周辺尤度の推定について, これまで用いられてきた[1]の手法はサンプルサイズが大きい場合,またはモデルが高次元の場合には機能しない ことが指摘されている.取り込むデータの数を1つずつ増やした事後分布からのサンプリングを行えば周辺尤度は より安定的に評価できるが各々にMCMCを用いた場合には計算コストや収束判定の観点から問題があり,本発表では [2]により提案されたSMC samplerの拡張により効率的なサンプリングの手法を提案する.また同手法の応用により rolling window estimationに関してもこれまで行なわれていたMCMC自体の繰り返しよりも効率的なサンプリング 方法が導かれることについても述べる.最後に数値実験の結果を紹介する. [1]Chib, Siddhartha. "Marginal likelihood from the Gibbs output." Journal of the American Statistical Association 90.432 (1995): 1313-1321. [2]Del Moral, Pierre, Arnaud Doucet, and Ajay Jasra. "Sequential monte carlo samplers." Journal of the Royal Statistical Society: Series B (Statistical Methodology) 68.3 (2006): 411-436.