統計学輪講(第11回)

	統計学輪講(第11回)
	日時      2016年07月12日(火)    15時45分~16時35分
	場所      経済学部新棟3階第3教室
	講演者    松田 孟留 (情報理工D3)
	演題      特異値縮小型事前分布の改良

	概要
	Matsuda and Komaki (2015)は、行列変数の正規分布における平均パラメータの事前分布として
	特異値縮小型事前分布を提案した。これはSteinの事前分布の自然な拡張になっていて、
	優調和性をもつ。よって、特異値縮小型事前分布は点推定・分布予測の両方で一様事前分布を優越し、
	ミニマックス性をもつ。特に、パラメータの真値が低ランクであるときにリスクの改善が大きい。
	Matsuda and Komaki (2015)の事前分布は、Efron and Morris (1972)で提案された縮小推定量から
	着想を得ている。一方、Efron and Morris (1976)によって、Efron and Morris (1972)の縮小推定量を
	さらに優越する縮小推定量が得られている。この結果をもとに、本研究では、Matsuda and Komaki (2015)の
	事前分布を漸近的に改良する事前分布を与える。また、block-wise Stein事前分布を漸近的に改良する
	事前分布も与える。これはBrown and Zhao (2009)が述べた予想に対応する。