統計学輪講(第12回) 日時 2016年07月19日(火) 15時45分~16時35分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 矢野 恵佑 (情報理工D3) 演題 スケール比増大ミニマックス性をもつノンパラメトリックなベイズ推定量 概要 無限次元ガウス列モデルにおいて平均がソボレフの楕円に含まれている時の平均の推定を考える. 多くのノンパラメトリックな関数推定はこの推定に帰着される.標本数が増加する極限を用いた 漸近ミニマックス推定量については非常に多くの研究が存在する. 本発表では,以下の三点を議論する. 1. 漸近ミニマックス性だけでは有限標本でのリスクの小ささを保証できないことを示す. 2. 問題1を解決するため,ソボレフの楕円の大きさと雑音の分散の大きさの比(スケール比と呼ぶ) に着目し,スケール比が大きい状況でのミニマックス性を議論する. 3. スケール比が大きい状況で(対数ファクターを除いて)ミニマックス性をみたすベイズ推定量を 構成する.更に,構成したベイズ推定量が楕円領域上でどの程度許容的な推定量に近いかを議論する.