統計学輪講(第13回)

	統計学輪講(第13回)
	日時      2016年09月27日(火)    15時45分~16時35分
	場所      経済学部新棟3階第3教室
	講演者    辻野 辰彦 (経済M1)
	演題      2段階推定を用いたVaR予測モデル

	概要
	文献[1][2]について紹介する(主に[1])。

	金融機関のリスク管理においては、リスク指標としてVaR (Value at Risk)が頻繁に用いられる。
	VaRは金融資産のリターン分布の分位点として定義されるが、リターンの分布・系列は①ファットテール性、
	②非対称性、③ボラティリティ変動といった性質を持つとされるため、古典的な正規仮定によるモデルは
	リスクの過小推定をもたらすといった指摘も多い。
	[1]では、リターン系列にまずGARCHモデルをあてはめ、得られた残差から極値理論 (Extreme Value
	Theory, EVT)の枠組みを用いてVaRを算出する2段階手法が提案された。
	[2]では、[1]で提案されたモデルを含む複数のモデルで包括的な比較分析を行った。
	本発表ではその結果の概要を紹介する。

	[1] McNeil, A. J. and Frey, R. (2000).
	Estimatino of tail related risk measures for heteroscedastic financial time series: an extreme value approach.
	Journal of Empirical Finance, 7, 271-300.
	[2] Ergen, I. (2015).
	Two-step methods in VaR prediction and the importance of fat tails.
	Quantitative Finance, 15, 1013-1030.