統計学輪講(第16回) 日時 2016年10月18日(火) 15時45分~16時35分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 金子 雄祐 (経済M1) 演題 Regression Kink Designについて(文献紹介) 概要 Card, David, et al. (2015) [1]およびDong [2]を紹介する. 不連続回帰(RDD)は,従来,計量経済学などの分野で政策の因果効果の推定のために用いられてきた手法である. RDDは閾値前後でのoutcomeの不連続性を利用することで,局所的な平均処置効果を推定する手法であったが, 閾値前後での不連続性がさほど大きくない場合や不連続性がそもそも存在しない場合には使用することはできない. しかし,Regression Kink Design(RKD)は,閾値前後での傾きの変化を利用することで因果効果の推定を行っており, より柔軟なケースでの利用が可能である. [1]は,処置が連続のケースについて,[2]は[1]をベースに,処置が離散のケースについて扱っている. 本発表では結果の概要を報告する. [1]Card, David, et al. "Inference on causal effects in a generalized regression kink design." Econometrica 83.6 (2015): 2453-2483. [2]Dong, Yingying. "Jump or Kink? Identification of Binary Treatment Regression Discontinuity Design without the Discontinuity." R&R at Journal of Political Economy