統計学輪講(第10回)

    統計学輪講(第10回)
    日時      2017年06月20日(火)    14時55分~15時45分
    場所      経済学部新棟3階第3教室
    講演者    上妻 佳代子 (医D2)
    演題      定量的冠動脈造影法(QCA)の計測用ソフトウエアQAngio XA®におけるバージョン間の一致度に関する検討

    概要
    冠動脈疾患の診断・治療を客観的に評価する定量的冠動脈造影法(Quantitative Coronary Angiography: QCA)
    による病変部の計測をコンピュータにより自動化したQCAシステムQAngio XAは、多くの臨床研究における標準的な画像解析ツールである。
    このQCAシステムの性能はその解析用アルゴリズムに依存するが、
    QAngio XAの現行バージョン(ver. 7.3)はバージョンアップの際にアルゴリズムの変更がなされたにも関わらず、
    旧バージョンとのバージョン間の測定値に関する詳細な検討がされないまま広く利用されている。
    このため、現行バージョンと旧バージョン(ver. 6.0)による同一画像の計測値(最小血管径、参照血管径、病変長)を比較し、
    バージョン間のアルゴリズムの違いにより系統的差異があるか否かを検討した。
    検討にあたっては、血液透析患者に薬剤溶出性ステントを植え込んだ虚血性心疾患患者の予後及び臨床成績について検討した2つの前向き単群非ランダム化試験において収集された冠動脈造影画像を用いて、
    計画した方法に従って新たにQCAシステムによる計測を行い、統計的手法によりバージョン間の系統的な差を推定した。
    本発表では本研究の検討方法と結果、その考察について述べる。