統計学輪講(第15回) 日時 2017年09月26日(火) 15時45分~16時35分 場所 経済学部新棟3階第3教室 講演者 金子 亮也 (情報理工M1) 演題 ノンパラメトリック回帰に対する有限標本で有用な予測区間の構成(文献紹介) 概要 Lei and Wasserman (2014) [1]について紹介する. 回帰における予測区間の構成に関する問題は,線形回帰モデルをはじめとして数多く研究されてきたが, それらは特定の回帰モデルに依存する,もしくは有限標本での振る舞いが保証されない,などの問題点を抱えている. [1]では,[2]において提案されたconformal predictionをノンパラメトリック条件付き密度推定と組み合わせることで, 分布の形に依存せず,かつ有限標本においてある種の妥当性(local validity)が担保される予測区間を構成した. 提案された予測区間は上記に加えて,oracle bandにminimax rateで収束する,という特長を持つ. 本発表では,一般に構成された予測区間が満たすべき諸性質について説明した後,それらを満たすものとして導かれた提案手法の詳細を述べる. 参考文献 [1] Lei, J., & Wasserman, L. (2014). Distribution‐free prediction bands for non‐parametric regression. Journal of the Royal Statistical Society: Series B (Statistical Methodology), 76(1), 71-96. [2] Vovk, V., Nouretdinov, I., & Gammerman, A. (2009). On-line predictive linear regression. The Annals of Statistics, 37(3), 1566-1590.