統計学輪講(第4回)

日時 2018年5月1日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 経済学研究科棟 3階 第3教室
講演者 今井 凌 (経済学研究科D1)
演題 幾何的な視点からみた高次元推定(文献紹介)
概要

チュートリアル論文 Vershynin (2015) [1] に沿って発表する。

複数の観測からユークリッド空間内の既知の部分集合の中に存在するパラメータを推定するという問題を考える。 この部分集合はパラメータについて分析者が事前に知っているあるいは課したい制約を表している。 例として、圧縮センシングにおけるスパースなベクトルの集合、行列補完問題における低ランク行列の集合がある。 このような制約集合がそこまで複雑でなければ高次元のベクトルであっても少ない観測数で推定できると期待できる。 このことを、 asymptotic convex geometry における結果である、 Gaussian mean width を用いた有界部分集合の random section の直径に関する M* bound を紹介し、その帰結として種々の推定問題の最悪リスクのバウンドを導出することで確かめる。

[1] Roman Vershynin. “Estimation in high dimensions: a geometric perspective.” In Sampling theory, a renaissance, pages 3–66. Springer, 2015.