統計学輪講(第7回)

日時 2018年5月22日(火)
14時55分 ~ 15時45分
場所 経済学研究科棟 3階 第3教室
講演者 濱田 将樹 (情報理工学系研究科M2)
演題 mixture に対する選択実験のベイジアン D 最適計画(文献紹介)
概要

文献 [1] を紹介する.

選択実験とは,回答者が複数の選択肢の中から最も好ましい選択肢を選ぶことを繰り返す実験であり,消費者の嗜好を知るためによく行われる. 選択肢が成分の割合によって特徴づけられる場合を mixture と言い, [1] ではそのような実験に対するベイジアン D 最適計画を求めるための PSO (particle swarm optimization) アルゴリズムと mixture co-ordinate exchange アルゴリズムが提案されている.

本発表では, mixture に対する選択実験において用いられるモデルを説明した後,そのベイジアン D 最適計画を求めるためのアルゴリズムについて述べる. 指数型分布族は良い構造を持つことが知られている密度関数のクラスであるが,有限個のパラメータによって指定されるため分布族をひとつ固定したときに表現できる密度関数の範囲は狭い. これを拡張し,広い範囲の密度関数をよく表現できるような密度関数のクラスを与えることを考えたい.本文献では再生核ヒルベルト空間を用いた指数型分布族の無限次元化を行う.

参考文献:
[1] A. Ruseckaite, P. Goos, D. Fok (2017). Bayesian D-optimal choice designs for mixtures. Journal of the Royal Statistical Society. Series C: Applied Statistics, 66, 363–386.