統計学輪講(第8回)

日時 2018年6月5日(火)
15時45分 ~ 16時35分
場所 経済学研究科棟 3階 第3教室
講演者 田中 智規 (情報理工学系研究科M2)
演題 fshape におけるマッチングアルゴリズムとテンプレートの推定(文献紹介)
概要

Charlier et al. (2017) [2] および Charon et al. (2016) [3] を紹介する.

計算解剖学とは,解剖図はテンプレートと呼ばれる画像が変化しているというモデルを考える分野である. この分野では, large deformable モデルがよく用いられ,画像のマッチングアルゴリズムとして LDDMM アルゴリズムが提案されている [1]. LDDMM アルゴリズムは,勾配を解析的に求め,勾配降下法を用いるアルゴリズムである. しかし, large deformable モデルでは,制限が多く,近年,このモデルおよびアルゴリズムの拡張が様々提案されている.

本発表では, fshape というモデルを導入し, large deformable モデルの拡張であることを述べる. 次に,離散化した fshape におけるマッチングアルゴリズムを提案する. このアルゴリズムは, LDDMM アルゴリズムと同様,勾配降下法を用いるが,勾配を解析的に求められないため,最適制御で用いられる Pontryagin's Maximum Principle や4次元変分法でも用いられる backward equation を用いて勾配を求める. 最後に, fshape におけるテンプレートの推定方法について述べる.

参考文献:
[1] M. F. Beg, M. I. Miller, A. Trouve and L. Younes: “Computational large deformation metric mappings via geodesics flows of diffeomorphisms.” International Journal of Computer Vision, 61.2 (2005), pp. 139–157.
[2] B. Charlier, N. Charon and A. Trouve: “The fshape framework for the variability analysis of functional shapes.” Foundations of Computational Mathematics, 17 (2017), pp. 287–357.
[3] N. Charon, B. Charlier and A. Trouve: “Metamorphoses of functional shapes in Sobolev spaces.” Foundations of Computational Mathematics, (2016), pp. 1–62.